関係ないけど、今雪です。

 ミスドからドーナツを携え帰宅すると、母が妹に言いました。
「お土産が帰ってきたよ」 
 違うよ! お姉ちゃんが帰ってきたんだよ!(泣)

 口内炎が二つできて、歯も痛いので、自分のキャラも不幸にしたくなりました。
 さあ、風邪をひけZEKU(男)。
ちょっと畳みます。

ブログ拍手ありがとうございました!
12月29日
22:00
今年を幸せな気分で一年を終えようとしている浮草堂でした。(ただし、キャラは不幸にする)

キクムラサキ式
 ざざ、と川の音が暗闇に響く。清流に浮かぶ藻がばしゃりと跳ねる。
 ゆっくりと水に血が混ざりだす。
 犠牲者から小刀を引き抜くと、ようやく冷えた空気を感じた。
 水音を殆ど立てず、暗き水面から岩場に上がるとしゃり、と氷が砕ける小さな悲鳴がした。
 見張っていた黒豹の声が響いた。
「ずぶ濡れである。着替えられよ」
 今回の相手はなかなかに手ごたえがあり、水の中で格闘を演じる羽目になったのである。
 水でへばりついた相手の服の切れ端を投げ捨てる。
「こんな外で裸になれるか。せめて建物があるところまで戻る」
「冷え切ってしまわれるぞ」
「大丈夫だ。航空券とパスポートはあるな」

 ・・・・・・・・・
大丈夫な訳が無かった。
 Kの屋敷に着いて早々ベッドの住人となり、氷まくらと濡れタオルの世話になっている。
 やはり外で着替えるべきだっただろうか。
 いや、下着まで見事にずぶ濡れだった訳で、つまりは外で着替えるという事は外で全裸という訳で、それだけは嫌だというのはさほどおかしい話ではないと思う。
 いや、成人男性としては、黒豹以外誰も見ていない状況ならば、緊迫した時ならば仕方ないとするだろが。
 しかしそれにしたって俺は水の中で大格闘して、小刀を相手の首に叩き込んだ直後で、体も気持ちも大分熱い感覚だったのだ。緊迫を感じたのは建物の中に入って歯の根が合わなくなってからなのだ。
 帰宅してからKANAでも居る事を期待したが、彼女は置手紙も残さずさっくり仕事に行っており、残っていたのは―。
「ZEKUちゃん喉痛い? 頭痛い?」
 もっとも役立たずな娘だけであった。
 実は置手紙はなかったが、本人から「KANAあね様がね、KYOをよろしくお願いします、って言ってたのよ!」との伝言を熱で半分死んだ頭で聞かされた。
「ねー、痛い? 痛い?」
 本人的には心配しているのだろうが、布団を揺らさないでほしい。頭がぐらんぐらん鳴る。
 痛い、離れろ、と言いたくても、喉は痛み以外何のアクションも起こさず、ぜーぜーという荒い息のみが漏れた。
 ヴァル・・・と黒豹を呼ぼうとするも、彼は寝巻の浴衣を出すと何処かに行ってしまった。
 他の精霊王を呼ぶため、霊音を使ったら激痛でのたうち回る事は見えている。
 その点は何処かへ行ってしまった信頼できる盾に任せておく事にする。長年の付き合いだ、早く誰か呼んで来てくれ。ついでに水とのど飴が欲しい。
「ねー、ねー、何か言ってよー」
 頼むからお前は出て行ってくれ。枕を揺らされると吐きそうなんだ。お願いだ、治ったら幾らでも構ってやるから。
「ねーねー、にゃんこはー?」
 治ったら構うというのはひょっとしたら甘やかしすぎなのだろうか。偶に水責めとか加えるべきだったのだろうか。教えて下さい姉上。でも、俺は貴女の愛情教育をこの娘に施す自信はありません。
「主、起きておられるか?」
「あ、にゃんこお帰りー」
「にゃんこではない」
 ヴァル・・・。
 ようやく帰ってきた盾は、ドアの向こうを振り返り、こう言った。
「主、こちらに」
 ドアの向こうから姿を現したのは、黒いスラックスに黒のネクタイ、ベストに包まれた胸はあからさまに谷間を見せつける。顔は全く俺と同じ、忌々しい事に傷跡も全く同じ。
 つまりは俺と肉体を別つ存在である。
「あ、女の人のZEKUちゃんだ」
「元気そうで何よりだ、KYO。こいつがへたばっていてなお何よりだ」
 何でだ。何でこいつを呼んだ。俺達の間柄を知っているだろう。目があったらとりあえず罵倒と小刀の応酬をする仲睦まじさだぞ。
 嬉しそうにしやがって、俺の不幸がそんなに嬉しいか。嬉しいだろう。俺だって同じ立場なら嬉しい。
「しかしこの寒空で風邪をひくとは実にタイムリーな奴だ、きっと冬将軍に愛されていないな。安心しろ、代わりに絶縁状を送ってやる」
 畜生、俺を罵倒する時だけ饒舌になりやがって。舌噛んで死ね。
「ZEKUちゃん・・・意味がよくわからないよ・・五文字以内に纏めて」
「ざまあみろ」
 練習でもしてたのかお前達は。流れるような会話だったぞ。
 ぜひーと呼吸音で抗議をすれば、ますます嬉しそうだ。
「まあ、看病は任せておけ。とりあえず消化の良いものを作ってやる。安心しろ、キムチは持参済みだ」
 ぜーぜー。
「・・・・さて、小娘、主がいらした故、主の看病はもう良い」
 我ながらややこしいな。いや、それは良い、とにかく連れて行ってくれ、キンキン声が頭に響くんだ。後、キムチは止めてくれないのか。俺の喉が焼けただれてもいいのか。
「だめ! 僕も看病するの!」
 痛い、頭痛い。
「まあ、聞けKYO。こいつが普通に風邪をひくわけないだろう。何せ馬鹿なんだからな。大方よその人といやらしい事をしてうつされたに決まっている」
 濡れ衣だ! 本当に濡れ衣を着た結果こうなったんだ!
「いやらしい事?」
 こてん、と首を傾げるKYOに続けてほざく。
「お前はまだ知らなくていいが、啼きすぎて声が枯れたんだ。気にすることはない」
「泣いたの? いじめられたの?」
「とても気持ちよくいじめて貰ったんだから問題ない」
 お前、KYOに何を教えている! やめろ、俺の聖少女結界を汚すな!
「いじめられたのに?」
「そう。どんな人が相手だったのか後で教えてもらえ」
「・・・・・? ZEKUちゃん顔色が変だよ?」
「図星をさされて辛いだけだ。男というのはとても単純な生き物だぞ、ミドリムシくらい単純だ。乙女がいつまでも汚れないみたいな幻想を叩き壊してやれ、女としての真価を見せつけろ」
 黙れプランクトン女。最近KYOが何処で聞いたのか分からない知識で話しかけてくるのはお前が原因か。
「さて、お粥でも作ってくるか」
「キムチ?」
「KYOの食事も一緒に作るからな・・・。KYOはキムチ嫌いだろう?」
「うん、辛いのやー」
「では、こちらの作業を手伝ってくれ」
「はい! 手伝う! 僕も看病する!」
 KYOが手を上げてお返事すると、あばずれ女は俺の枕元に何かを投げつけ、KYOを連れて去って行った。
「良かったであるな」
 枕元に投げつけられたのど飴を黒豹の肉球が叩くのには不承不承頷くより他はない。よく利くことに定評がある金柑味であった。

 数日後、俺の報酬から出張代及びのど飴代として、金額の五分の四が引かれていたのはまた次の話である。死ね、売女。
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浮草堂美奈

Author:浮草堂美奈
小説書きが何か日々喋ってます
サイト キクムラサキ式
サイトに小説掲載中。
同人誌即売会にも、ダークファンタジー小説を引っ提げ出没します。

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