へし切長谷部育成記録

 某本丸のへし切長谷部がカンストしたようなので、主の記録を代筆することにしました。
 腐向けな主へしな本丸のようです。
 なお、浮草堂の本丸も長谷部がカンストしましたがあくまで代筆です。
 いやいや、そんななりきり育成記録なんてつけてるの、カレー沢薫先生くらいですよ。
 カレー沢先生すらつけていなかったら、割と人生終わってますよね。
 ボーダーラインカレー沢。
 いや、でもカレー沢先生夢志向の人だからな。
 いやいや! 違うから! 代筆しただけだから! 違うから!
 初老の落ち着いた男性審神者の記録を代筆しただけだから!

12月10日 0時30分
 長谷部の錬度の最高値が近づいたので、本日より記録をつけることにした。
 秘宝の里での鍛錬は順調である。
 帰還すると、しゅんとした様子で
「申し訳ありません……楽器は一つも……」
 と神妙に言ってきたので、まずは玉を集めることが第一だ。気にすることはないと頭を撫でてやった。
 一瞬で桜色に染まる頬が可憐だ。
 光忠が何か言いたげだが、あえて無視することにした。
 錬度が上がりきった時、与える贈り物にどんな顔をするのか楽しみである。


 どうもこの審神者はかなりのムッツリのようですね。
 浮草堂の本丸では、太郎太刀が先にカンストしているのですが、長谷部に特別に贈り物をあげるあたり、この本丸では違うのでしょう。
 代筆しながらも続きが楽しみです。摩訶不思議アドベンチャーをループしながら秘宝の里をぐるぐるしているのが報われるカンジですね、いや、私の話でこの審神者の話ではありませんが。

12月11日 3時50分
 敵の出方に変化がある可能性を考え、深夜に出撃させてみることにした。
 帰路で今剣が眠ってしまったと、背中におぶって帰還してきた。
 またしても楽器が集められなかったことを詫びるのが健気である。
 流石に眠たげな顔をしていたが、休む前に出撃記録を書くというので容認することにした。
 仕事熱心だが、多少行き過ぎるところがあるのは否めない。
 しかし、もうすぐ隊長職からは遠ざかることを思うと、好きにさせてやろう、
 今回誉を取ったことをほめると、桜を散らして喜んだ。
 愛らしいので頭を撫でる。
「もったいないです……主」
 と小さく呟いた。


 いや、寝させろよ!
 思わずつっこんでしまいましたね。
 夜中ですよ夜中、無理にでも寝させろよ。
 そもそも深夜に出撃させるとかブラック本丸ですかここは。そりゃいまつるちゃんも寝ますよ。
 なお、この日浮草堂もたまたま深夜に目が覚めましたが、この審神者とは無関係です。

12月11日 23時38分
 帰還した長谷部はしょげかえっていた。
 楽器は一つも集められず、本陣には一度到達したきり、誉も一度も取れなかったためらしい。
 疲れが出ているのだろうと言うと
「いえ、まだやれます。どうぞご命令を」
 と意地を張る。
 少し強めに休むように命じる。
 ますますしょげた様子で自室に向かった。
 ふと、いたずら心がわき、わざと
「一つも無理だったか」
 と聞こえるように独り言を言ってみた。
 長谷部は大きく身を震わせ、その場に平伏した。
 もう行けと命じ、逃げるように去るのを見送った。


 なんてやつだこいつ!
 いたいけな長谷部の気持ち弄びやがって!
 絶対前世地獄に落ちてるし、今生でも地獄に落ちるし、来世でも地獄に落ちますよ。
 代筆しててホントに腹が立ちますね。
 いや、ニヤニヤとかしてないですから。サクラ大戦のOPをループしている方がちょっと楽しいだけですから。

12月12日 15時48分
 報告を、と長谷部に命じると
「笛を一つ、琴を一つ入手しました。子烏丸が本丸に来るまでには後二千玉です」
 と答えた。
 思わずくすりと笑みを漏らし、もっと重要なことがあるだろう、と促す。
「は……恐れながら……俺の錬度が最高値となりました……」
 あまり嬉しくなさそうなので、理由を柔らかく問う。
 長谷部は言い難くそうに答えた。
 私に対して決して嘘やごまかしを使うことはないのだ。
「戦場に……出る機会が減りますので……」
 成程。
 刀としての本分が発揮できなくなるのが残念らしい。
 しかし、それは私と居る時間が増えるということだ。
 それを聞いた長谷部はぱあっと顔を明るくし
「お傍にいさせてくださると……ありがとうございます」
 と初めて笑みを見せた。
 明日、記念の式を行うことを告げる。
「俺のためにそこまで……もったいのうございます」
 いつまでも平身低頭しているので、下がるように命じた。


 なんと!
 ここでまさかの甘やかしですよ。
 昨日の地獄行き発言はこれを見越したものだったのか。
 おそろしい男ですねこの審神者。
 ともかく、無事カンストできたようです。
 なお、浮草堂の本丸も長谷部がカンストしたので、缶チューハイをあけてぐでんぐでんに酔っぱらいましたが、この審神者はそんなことしないでしょう。
 いや、ストロングヤバい。まっすぐ歩けなくなった。

 12月15日
 包みを開いた長谷部は、目を見開いて動かなくなった。
「主……これは……」
 純白の裃を畏れ多そうに見つめ、触れることすらしない。
 私は思わず笑みをこぼした。
 それを着て記念の式に出るのだというと、理解しかねたように当惑する。
 仕方がない子だね、としゃがんで視線を合わせる。
 長谷部の瞳が揺れる。
 白無垢を着るわけにはいかないから、代わりだよ、と教えてやる。
 長谷部の目がますます見開かれる。
「あ……それは……」
 ようやっと理解できたようだ。
 長谷部の両目から涙があふれ出てきた。
「あ、主……俺なんかで……もったいない……」
 泣き続けるのに、嫌かと問うと
「そんな訳がありません! 謹んでお受けいたします。……ありがとうございます……」
 と涙声で答えた。


 祝・結婚!
 なんということでしょうか。
 この審神者は花嫁衣装を贈り物に用意していたようです。
 代筆している私も感動で目が潤みます。
 長谷部のうれし泣きが瞼に浮かびます。
 まったく、末永く爆発しろってやつですよ!
 なお、浮草堂はこの審神者の文章を代筆しているだけです。
 ははは、するわけないじゃないですか。
 こんなに何日もかけてなりきり日記とか書くとか、思春期の息子がいたらバッドで殴り殺されますよ。
 えー、そういう訳で、無事に大団円を迎えて喜ばしい限りです。
 やったね!
 病院行って来ます!

ブログ拍手ありがとうございました!

 12月15日 8時
にパチパチくださった方

 皆様の拍手で喜びがカンストする浮草堂でした。
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浮草堂美奈

Author:浮草堂美奈
小説書きが何か日々喋ってます
サイト キクムラサキ式
サイトに小説掲載中。
同人誌即売会にも、ダークファンタジー小説を引っ提げ出没します。

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