ファンレターのすすめ

 私、浮草堂美奈はファンレター魔である。
 アイドルとかそっち系は分からないので、最初に謝っておく。
 小説家、漫画家専門のファンレター魔である。
 いいな、という作品を入手したらファンレターを書く。
 本日は、特に書き始めてからの経歴が長いわけでもないけど、ファンレター書くのが趣味だぞってヤツがお送りする、独断と偏見に満ちたファンレターマニュアルを、別に誰に求められている訳でもないけど記そうと思う。
 それでは

1 何故ファンレターを書くのか

 買ったらそれでいいだろう、ってご意見の方もおられるだろう。
 これに関してはこの一言に尽きる。
 次の作品の出版に繋がるから。
 これが最大の目的である。
 次の作品を読みたいと思わない作家さんには、書かなくていい。
 次が出ても読まないんだから。
 こんな作品はダメだと思う報告とか論外である。そんなもんを送るヤツはただの変なヤツである。往来で会った人にいきなり「あなたの事嫌いなんです! 理由は~」と語り始める人と同じである。
 次の作品を出してほしいと出版社にアピールする為に送る。それと同時に作家さんに「良かったよー!」と伝える為に送るカンジだ。
 だから、作家の個人のメールアドレスやツイッターに感想を送るんじゃダメなんである。
 出版社が把握できないから。
 ぶっちゃけた事を言ってしまえば、出版社の公式サイトの「ご意見ご感想はこちら」ってあるメールアドレスからメールを送ったって別にいいっちゃいいのだ。
 それがあえて手紙にする。
 ひとえに「次の作品を出してください!」という気合いが、手紙の方が通じる気がするからってだけである。
 だから、字を手書きするのめんどくさい、楽しくないって人は出版社にメールを送れば良い。
 ふっつーにそれで良い。
 でも、あえて、あえて申し上げるなら。
 手紙にするのって意外と楽しいよ?

2 必要な道具

 封筒
 切手
 便箋
 筆記用具
 修正液
 国語辞典

 では、道具の選び方を書いていこう。
 ワープロ打ちした文章を送る方は、後ろの4つは必要ないので気にしなくて良い。
 代わりにコピー用紙が必要になるけど。

 さて、まずは国語辞典。
 ……漢字をきっちり覚えてるんならいらないよ?
 だけど、漢字って意外と「こんなん覚えてるだろ」ってヤツを忘れてるから! その為に必要! 別に電子辞書だろうがなんでもいい!
 なお、私は角川の国語辞典を使用している。小学生の頃から使っているのでかなりボロボロであるが、なんだか思い入れがあって買い替えられないんである。高いし。
 
 次に便箋。
 文房具屋とかロフトとか100円ショップにいっぱい売ってるから、完全に趣味で選べば良い。
 選ぶのすっごい楽しいぞ!
 私は大体文房具屋で買っているが、かなり種類がある。
 ポイントとしては……字が汚かったら横書きの便箋を選んだ方がいいぞ。
 字が綺麗だったら縦書きでも何も問題は無いんだけど!
 字が汚いヤツはまず縦書きをまっすぐ書く事が難しかったりするから!
 そういう訳で、私はいつも横書きのを選んでいる。
 習字を習えって言わないで! できる事とやった方が良い事は違うの!

 筆記用具。
 昔の作者あとがき漫画にすっごいよくあった事を書くので「知ってるよー」って大体の人はなると思う。
 だが、中高生が読んでいるかも、という私の夢の為に書いておく。
 色ペンとシャーペン、鉛筆は使っちゃダメだよ☆
 手紙は黒ペンが礼儀というのもあるけれど、色つきの文字とか鉛筆の文字とかの手紙はすっごい読みにくいのだ。
 無難なのはボールペンである。
 万年筆とか使ってたらすごいカッコいいと思うけどね! 私貧乏だからそんなの持ってないよ!
 後、筆ペン。字が綺麗なら使うと良いけど……字が汚いヤツが使うとすっごい中二病に見えるぞ! 気を付けろ! やめろ、私の10代の頃の手紙の話をするのは! やめるんだあああ!

 修正液。
 ……意外と書き間違いってするんだぜ……。
 ホント……ひらがなですら書き間違ったりするんだぜ……。
 潔く最初から書き直すというんならいらないけど、私はそれは大変だから修正液使ってます。

 さて、こっからはワープロ書きの人でも必要編。
 封筒。
 趣味で好きなの選べばいいよパート2。
 ただ、たまに住所を書く欄がすっごい小さいヤツも混ざってるから注意な!
 それは女子生徒が教室で手紙回す時に使うヤツだからな! ポストに出される事を想定していないヤツだからな!
 後はカワイイのを選ぶんであれ、カッコいいのを選ぶんであれ、茶封筒とかで送るんであれ、個人の趣味で良い。
 ただ、茶封筒はサイズに注意しろ! 定形外郵便になって、切手代が足らなかったら返送されてくるぞ!
 定型郵便のサイズはよくわからんけど、茶封筒で送りたい人はとりあえず長形4号を選んでおけば大丈夫だ。
 後、茶封筒じゃない一般的に日本で売られている封筒は大体定型郵便に対応してるから、そこは気にせず趣味で選んじゃえば良い。

 切手。
 べつにふっつーの切手で送っても失礼じゃない。
 むしろ、郵便局の窓口で印紙貼って貰ってもいいっちゃ良い。
 けど……けどな……。
 記念切手ってすっごいいろんな種類があるんだ!
 それはもう、世界や日本の絶景、植物、キャラクター、電車、ほんっとにいっぱいあるんだ!
 しかも、毎月何度も新しいのが出て、古いのは手に入りにくいんだ!
 もう完全にただの趣味だけど、記念切手買うのすっごい楽しいぞ!
 ちなみに私が一番好きなタイプの切手は、どこかの国との友好条約何十周年とか、何かの会議開催記念とか、そういう何かを記念して作られた切手が一番好きだ。なんかこう、今この時代に生きてる感じがする。

3 書く内容

 これはメールでも共通してるぞー、戻ってこーい。
 と、言っても、あくまでも私がどんな感じで書いてるかなので、別にこの通りに書かなくても全然大丈夫だと思う。
 応用が利かないマニュアルってそんな無いだろ? そういう事だ。
 
 まずは気を付けないといけない事。

 作家さんは知らない人だという事。
 そりゃあ、こっちは作品を楽しんだ訳だし、最近はツイッターとかブログですっごいフレンドリーな雰囲気にしている作家さんもおられるので、こちらは知っているだろう。
 だが、それはこちらが一方的に知っているだけであって、作家さんにとっては知らない人である。
 ツイッターとかフェイスブックでフォローバックして貰っていても、あなたは知らない人である。
 知り合いではない。ましてやお友達ではない。
 そして、今後知り合いやお友達にランクアップする事は無い。
 あくまでただの作品を読んでいるだけの知らない人である。
 でもさ。
 知らない人から「あなたの書いてるもの好きです!」って言われたら、普通に嬉しいぞ。作家だって人間だし、しかもだいたい喜び方はちょろいんだから。
 なので、『知らない目上の人』に書く感じの敬語で文章を書く。
 作家さんが年下でも、目上の人に書く感じで。そりゃ、あなただって知らない人からいきなり目下な態度取られたら嫌だろう、例え明らかに歳上でも。

 具体的に書く事。
 
 挨拶。初めましてとかそういうの。あんまりきっちり書かなきゃ! 時候の挨拶とか書かなきゃ! って格式ばることないぞ。まあ、時候の挨拶は書いてあったらきちんとしている印象を与えるけど。私は大体「初めてお便り致します」か「何度目かのお便り失礼致します」で書き始めてる。あんまりきっちりきっちりしなきゃって頑張ると大変だから、できる範囲の礼儀を尽くせばOKだ。
 自己紹介。名前と性別、年齢は作家さんの参考になるから書いといた方がいい。年齢は気になるならあんまり詳しく書かなくていいぞ。三十代、とかそんなんでいいぞ。大人の場合、職業は書いてもいいなら書けばいいんじゃないかな? 別に書きたくなかったら書かなくていいんじゃないかな? って感じ。小中高生の場合は参考になるから学年まで書いた方が良いぞ。何の参考かというと、作家さんがどの層に人気があるかの目安になる。え? 熟女ですとか人妻ですとか書きたい? 別に止めないよ! そうやって家庭の鬱憤を晴らせば良いよ!
 どの作品を読んだか。何巻も出ている場合は巻数も。別に全巻読破とかしてなくて良いぞ。気にしない気にしない。
 
 こっからは感想の領域になってくるので、あくまで参考程度に。
 好きな登場人物と、その人(人じゃない場合もあるけど)の何処が好きか。
 好きなシーンと、それがどんな感じで好きか。
 これだけで意外と便箋のほとんどが埋まる。
 そして、私が書くのはほとんどこれだけである。
 いや、世界観が好きとか話のテンポが好きとか文体が好きとか書く場合もあるし、書いても全然構わない。
 むしろ、書いたらすごく良い。
 ただ、書きやすいのはこの2点なのだ。
 この2点、いや、片方だけでも全然構わない。どちらかだけ押さえておけば、感想になる。
 何処が好きか、どんな感じで好きか、だが、そんなに難しい言葉を使う必要は無い。
 自分が書ける範囲で表現すればいい。
 例えば、プラチナエンドの明日君が好きだとして。
 私なら「悪い事をしても幸せになれない、という彼の考えが、とてもきちんとした倫理観を持っていて応援したくなります」と書くけど。
 別に「明日君がカッコよくて好きです。真面目君なところも」でもいいし。
 極論、「明日君マジパナイです!」しか思いつかないなら、「マジパナイです!」と書いて送れば良い。
 もう、ほんっとに感じた事を、自分のできる範囲の語彙力で書けば良い。
 我々の目的は出版社に次の作品を出版して貰う事と、作家さんに「あなたの作品好きです」と伝える事であって、見栄を張る事ではないのだから。
 上手くなんて書けなくて良い。
 っていうか、永井荷風ばりに上手い感想を書けるんなら、あなたがプロになれるだろ? 素人の文章にそんなにクオリティは求められていない。「好きです」が伝われば良いのだ。
 あ、後、入院中とか就活中とか、とにかくなんか大変な時に読んでたなら書いとくと良いぞ。「この作品に励まされました!」っていうのが伝わりやすいぞ。

 書いてはいけない事

 ブックオフとかの古本屋で買った事は書くな! そこはすっごいグラスハートだから!
 返事ください的なことも書くな! 返事は基本的に貰えないものと思え! 忙しいんだからしょうがないんだ!
 って言ったけど、実は私は偶に返事を貰ってたりする。宝物にしてる。某漫画家さんが、コピックではがきにイラスト描いて返事を下さった事もある。けど、期待はするな! 返事は貰えないのが当たり前なんだ! 貰えたらビックリなんだ!
 当たり前だけど、ラインとかメルアドとか電話番号とか住所とか、作家さんの個人情報教えてくださいとかも書くなよ。ストーカーだと思われるぞ。ツイッターとかでフォロバしてくださいも書くな、普通にウザい。
 後なー、これは作家さんによるんだけどなー、ノマカプの小説や漫画でBLや百合の妄想してる事も書かない方が良いぞー。
 気持ちは分かる。私にもノマカプの作品だけど、BLにしか見えないのとかすごくあるもん! でも、そういうのをウェルカムだと公言してる作家さん以外には書かない方が良い。簡単に言うと、その作家さんには地雷カプなんだ、そういうのは。
 二次創作の許可求めるのもやめような? 割とよくあるらしいけど、「公式としてはホントはダメだけど見ないふりしてる」のもすごいよくある話だからな。やめような。

 まあ、極論、作家さんに届ける前に出版社が中身をチェックして、ホントにヤバい手紙は処分してくれるから、気楽にいこう。
 
 結びの挨拶。
 これもまー、完全に人それぞれである。
 ただ、時候の挨拶を入れたなら、時候の挨拶にあった結びにしとかないと恥ずかしいけど。
 私の場合は、季節に合わせた体調の心配で結ぶことにしている。
 今の季節なら「天気が崩れやすい季節です、体調にはお気をつけください」である。
 ぶっちゃけ、作家さんの手元にすぐに手紙が届くとは限らないので、本当に気持ちの問題である。
「今後も応援しております。それでは」とかでも全然構わない。
「筆を置きます」「では、さようなら」全然大丈夫だ。
 普通に目上の人に使う敬語を崩さなきゃ大丈夫だ。
 便箋の下の余白に、書いた日付と名前を書けば、それでOKだ。
 で、こっからは私の書いた日付の横に書いているものなのだが……。
 例えば、今日書いたのなら「桜咲き誇る〇〇(ここを書いちゃうと浮草堂の住所がモロバレなので伏せるけど、割と有名な場所)の傍にて」とか書いている。
 中二っぽいといえば中二っぽいので、書きたい人は、なのだが、有名なスポットの傍に住んでいる人は書いたら楽しいかもしれない。後、これまた中二くさいけど、「大和より」とか「備中より」とか昔の地名で書くのもなんか楽しい。楽しいだけだけど。

4 宛先

 その前に宛先を書く筆記用具の注意。
 水溶性のペンはダメだぞー。
 うん、私、やらかしたことある!
 ボールペンでも水性のヤツはダメな。どっちか表記してないこともあるから気を付けような! 雨でめっちゃ流れるぞ!
 プリンタで印刷する人も、インクが水性じゃないか気を付けような!
 おススメなのは、耐水性のサインペン。
 書きやすいぞ!
 で、送る住所なのだが。
 本によっては、「ご意見ご感想はこちら」って宛先が奥付に明記されているのもある。(画像はクリックで大きくなります)
1460289567378.jpg
 こんな感じ。
 こういうのが無い場合は、奥付に書いてある出版社の住所
1460289575218.jpg
 こんなん。
 に出版社名に気付。例えばこれだと早川書房気付って書いて、作家名を書く。
 敬称は、私はいつも先生にしてるけど、別に様でも良いぞ。
 リターンアドレスは必須だ!
 リターンアドレスが無いと、不審物と見なして開封せず捨てる出版社もあるぞ! 気をつけろ!
 住所なんて書いて悪用されないかなーと思う人もいるだろうが、ちゃんとした出版社なら悪用しない。信用問題だから。

5 封
 ノリで封筒に封をした上から、中心に×を書くの忘れないようにしような。
 私の場合は、シールを貼って×の代わりにしている。
 蝋で封をするのもカッコいいよなー。やったことないけどなー。浪漫だよなー。

 
6 裏ワザ

 便箋一枚も文章が続かない感じなら、はがきという手がある。
 短い文章でも、特に違和感ないぞ。
 郵便局の人に恥ずかしい? 大丈夫大丈夫、忙しいからいちいちチェックなんてしてない。
 センスを出したいんなら、絵葉書を使うと良い。
 なんかカッコいいし、何よりこれまた選ぶのが超楽しい!
 ミュージアムショップとかホントわくわくものの絵葉書がいっぱいあるぞ!
 
 個人的におススメなのが、こういうはがき。
1460289561880.jpg
 挨拶を書く分を考えると、3行くらいの感想で大丈夫だし、ちょっとおしゃれに見える。
 文房具屋の他に、筆とか墨とか売ってる店にもよく置いてある。これは雑誌のおまけだから、非売品だけど。

7 私にはできないけど、できたらいいなあ。

 イラストを添える。
 これ。
 絵が描ける人は、ホント添えると喜ばれると思うぞー。
 私、描けないけどな。ちっちゃいイラスト添えるのとか良いなーと思う。
 後、はがきに一面イラストを描いて、「いつも応援してます!」とか添えるのすごいカッコいいな。私できないけど。

8 そんな訳で

 完成品がこちら
1460289580863.jpg
 まあ、ごちゃごちゃいっぱい書いたけど、あくまで参考程度にしてください。
 とにかく……ファンレターは良いぞ!
 長々とご覧下さってありがとうございました!

ブログ拍手ありがとうございました!

 4月9日 21時にお二方 22時 23時
 4月10日 14時にお二方 17時
にパチパチ下さった皆様

 皆様の拍手が心に届く浮草堂でした。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

浮草堂美奈

Author:浮草堂美奈
小説書きが何か日々喋ってます
サイト キクムラサキ式
サイトに小説掲載中。
同人誌即売会にも、ダークファンタジー小説を引っ提げ出没します。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード