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ウラジーミル大尉とチョコバーの話

 えー。

 てへ☆
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 まあ、それはともかく、「チョコバーを初めて食べたときのウラミたんが見たい」とのリクエストがありました。
 OK、キティ任せな(はぁと)
 と、いう訳で、小話を書きました。長くなるので畳んであります。

 今日の晩ごはん
BOzaSy8CUAACCoR.jpg

 ピザの残り(半分残しておきました)

 WEB拍手ありがとうございました!
 7月10日3時
 あなたのハートに飛び込む紅蓮の弓矢になりたい浮草堂でした。

ブログ拍手ありがとうございました!
理人さん>そんな露骨に嫌がらないで! 確かにWASPで殺人鬼で嘘つきで卑怯で性犯罪者でカラーギャングでサディストで好かれるところがないけれども! 多分……そういう事が好きなんでしょうね。片山さつき氏。
あの、ピザーラにはやられました……。うん……いい大人がポケモン……。そのジャンヌ・ダルクはハードル高いです! そんな濃厚なエロを一冊分も書く自信ないです!
 ウラジーミル大尉(カピターン)は、基本的にいつも不機嫌だ。
 ドミトリー軍曹から聞いた話は、実に的確であった。
 ちょっとしたことではキレはしない。
 理由は簡単だ。
 キレた瞬間、机が投げられる、壁が破壊される、電柱がへし折られる。
 こんな方にしょっちゅうキレられては、この赤い国特有の手段が取られるだろう。
 特有でもないのかな、とニコライは思い直す。
 粛清くらい、な。
 まあ、とにかくだ。
 キレはしないが、不機嫌そうなのだ。
 眉間に皺を寄せ、その灰色の眼で周囲を睨むように見る。
 スラヴ民族にしては小柄な体なのに、不機嫌メーターが上がった時の威圧感は計り知れない。
 ああ、スラヴ民族にしてはだぞ、無論。
 東洋人の中に入れたら、平均よりちょっと上の身長だぞ。いや……平均か?
 考えるのはよそう。この問題に関しては、ニコライはほぼ同じ身長である点で、面白く思われていないのだ。
 17歳と同じ身長は腹が立つ、と直接は言われなかったが「背はあるな」と逆に怖い感じで言われたのだ。
 まあ、そういう訳で、ニコライはいつ死ぬか分からないヴァルハラで、ことさらいつ死ぬか分からない生活を送っているわけであるが。
 大尉が幸せそうにしてると、俺も幸せになるなあ。
 なんぞと意外と肝の座った、底辺の幸せを得ている。
 ウラジーミル大尉が幸せそうにしている時はただ一つである。
 何か食べている時だ。
 やっている事がやっている事なので、大尉は非常に多くのカロリーを必要とするらしい。
 要は大食らい。
 いや、あの、要はしないです、あんまり。
 それはともかく、今実に幸せそうである。
 ヘヴンズ・ドアーで、食えない印象(ダジャレではない)の女が、籠いっぱいのチョコバーを出して来て、「これを好きなだけ食べていいから、お留守番をお願いしたいの」と言ってきたのだ。
「ガキではないぞ」
と言いながらもしっかりと受け取る大尉。
 ニコライはその派手な包装紙に入ったものを見るのが初めてだったので、恐る恐る大尉を見た。
 大尉は迷うことなく包装紙を破り、その黒い棒を齧った。
 ざくざくざく、と歯の音がした。
「あのっ」
「何だ?」
 ニコライを見る目は相変わらず睨むようだが、眉間の皺は消えている。
 美味しいものを食べたときはこうなる。
 つまりは、幸せそうなのである。
「イルクーツクでは見た事がありませんが、それはモスクワでは見かけられる食べ物なのでありますか?」
「いや」
 ざくざくざくと、すでに一本目が無くなろうとしている。どうやら空腹だったらしい。車を降りるとき、「モタモタするな」と特に理由なく蹴られたしな。
「俺も初めて見る」
「……そうでありますか」
 豪胆な。
 勇気のある。
 度胸にあふれた。
 すみません、もうちょっと別の言葉が脳内に浮かびました。とニコライはこれも脳内で謝罪する。
 ちなみに渡された籠の大きさは40センチほどだ。それに山盛り入っている。
「食え」
 ドミトリー軍曹と、ニコライにもチョコバーが投げ渡される。
 軍曹が包装紙を破って一口食べた。
「……」
 口を押えて、ニコライに無言で残りを渡して来た。
 ニコライの分はあるのだが、渡してきたという事は食えという事なのだろう。
 しかし、いまだダメージを受けている軍曹。
 恐る恐る口に含むと、軍曹のリアクションの意味が分かった。
 甘い。
 めちゃくちゃ甘い。
 これは何だ、もはや暴力だ。舌が甘さで辛い。
 そのまま一本食べ終えたが、一本だけで胸焼けがした。
 17歳に胸焼けってどんな兵器なんだこれ。
 と、思いながら大尉を見ると、すでに三本目を完食し、四本目に手を伸ばしていた。
 大尉の味覚は甘ければいいという訳ではないはずだ。
 その証拠に、普段の食事に砂糖がついても、普通の量しか入れない。ただ、普段の食事の量がちょっと多いだけで。
 ぼそりと呟く大尉。
「日本製の菓子の方が美味いな」
 嗚呼、日本製の菓子なるものは食べた事がありませんが、こんな謝罪を求められるような甘さではない事を祈ります。
「大尉、我々は持ち場についても宜しいでしょうか」
 ようやく復活したドミトリー軍曹が、質問すると、四本目を食べ終えながら。手を軽く動かした。
「行け」
「ありがとうございます!」
「何がだニコライ」
 思わず本音が出てしまった。いや、大尉が幸せなのを見ているのは幸せなんですが、これ以上そのチョコバーなるものは無理です。見るだけで無理です。
「い、いえ、失礼します!」
 慌てて敬礼し、背を向ける。
 こつんと何かが頭に当たった。
 兵器だった。
「持って行け。ガキ」
「……ありがとうございます!」
 初めての前線で、まさかの甘さによるグロッキーなルーキーが見られるとは、KGBの誰が予想しえたであろうか?
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