fc2ブログ

読書はたのし「人間失格」(太宰治)

「この小説は自分のことを書いている」
 中高生のころ、そういう気持ちになったと思う。陽キャは失せろ。
 厨二病のテンプレエピソードである。
 厨二病とは恐ろしいもので、三十路になると闘病の気力すら失せ。
「気に入らない。全部書き直す」とかやっている自分を「わ、これ、庵野監督みたーい」と。
 我病む。故に我あり状態になってしまうのである。
 浮草堂美奈33歳。こちらは現在第二稿。宜しく(あえて漢字)。
 と、いうわけで最終回、「人間失格」(太宰治)である。
 

Kindle


 これまで「コラム」でごり押ししていたが、最終回くらい正直に申し上げよう。
 この「読書はたのし」は、本がおもしろすぎて度々正気を失う実況文章。
 最終回は厨二病限界値突破を、正気に戻すリハビリテーションである。

 だいたい太宰先生がよくない。
「これは自分のことを書いている」と、思わせてしまうのが特技の男なのだ。
 中高生なんぞ引っかかって当然の男。
 会ったこともないのに「あの男」とか呼んでしまう男だ。
 わたくしは三十路だが。
 その……、厨二病であるのは同じだから……。
 違うのは人生の長さである(キリッ)。
 中高生が「これは自分のことを書いている」と思っても、具体的な末路がありありと浮かびはしない。なんとなく20代で死ぬ気になっている。
 しかし三十路は違う!
「これは自分のことを書いている」と思った瞬間。
 まず「面接までたどり着けない就活」「生活保護叩き」「5080問題」「老後破産」などが、走馬灯のようによぎり。
 ついで「3週間に1度はドトールに行く古希」など、明確な未来の夢を思い。
 冷や汗をダラダラ流し、主人公と自分の違う点を必死に探す。
 ウォーリーがいなくても探し出す勢いで探す。
 主人公葉蔵に、完全に共感できる。
 本物の「学生時代だけしかできないこと」である。
 学生時代が楽しかった勢が言う「学生時代だけしか~」は、たいてい本人の性格の問題だが……。
 これはマジだ。今のうちだけだ。しといた方がいい。今のうちしか許されない。大人になってもやってたらヤバい。マジでヤバい。
 どのようにヤバいか見てみよう。
 まずは少年時代。
 人間の営みがわからない。ただひたすらに本当の自分を隠し。道化を演じる少年。
 この姿に「そう、私の本当の姿なんて誰もしらない……」と思ってしまいがちである。
「いつもお調子者で周囲を笑わせる私……。実際は闇が深い……」
 目を覚ませ太宰マジックだ!
 この本を読んでいると、本当にそういう気になる。
 自分はいつも仮面をかぶって生きている気になる!
 なるだけだ!
 この少年期の主人公、道化を見破られたのはわずか1回! それ以外はすべてウケている!
 それに比べて自分はどうか!?
 スカイプ通話会に参加した夜数える、ウケた数とスベった数。後者の方が多いだろう!
 さらにわたくし(三十路厨二病)を客観的に見ろ!
「今回はあらすじなくて大丈夫だろー。たぶんだいたいの人は読んでるし。楽ちん楽ちん」
 このウキウキ女の闇、深いと思うか!?
 むしろ知恵が浅いだろう!
 葉蔵のハイスペックに気づく。
 大人の階段第1段だ。
 上ったな。おめでとう。
 エヴァに乗らずにドトールに行けるぞ。
 
 ここまで書いたところで、ママンと叔母上の団らんに乱入した。おやつをたかりに行った。
「今、人間失格の(いろいろ伏せねばの沈黙)……書評を書いんねん」
「へー、読んだことなーい」
 ……。
 叔母上、読んでない人だった。
 ほら見ろ! 知恵が浅いだろうが!
 ただ、うすらぼんやりとあらすじはご存じだとおっしゃる。
「先生、って人が出てきてー」
 それは「こころ」だ。え、ここからまた書き直しなん?

 

「イケメンが、たくさんの女の人に迷惑をかける話ちゃう?」
 あっている! あらすじに変えさせていただく! 読んでないのにあいすぎだろう!
 
 大人の階段第2段は、葉蔵の心中事件。
 カフェの女給と心中を図るも、1人だけ生き残った葉蔵。
 起訴猶予となり、ヒラメ氏(あだ名)宅に居候をしている箇所である。
 この頃の葉蔵は高等学校は追放。故郷は縁切り。兄たちからの仕送りで引きこもり生活。
 ヤバいところしかない。
 ヒラメ氏は子ども(私生児らしい)と骨董商を営んでおり、繁盛はしていない。
 その家の2階に、葉蔵が引きこもっている。
 ある日ヒラメ氏は、葉蔵に「どうするつもりなんです、いったい、これから」と問う。
 このときの葉蔵の述懐。
 
 ヒラメは、その時、ただこう言えばよかったのでした。
「官立でも私立でも、とにかく四月から、どこかの学校にはいりなさい。あなたの生活費は、学校へはいると、くにから、もっと十分に送ってくる事になっているのです」

 実際に言われた言葉はこうだ。

「あなたが、もし、改心して、あなたのほうから、真面目に私に相談を持ちかけてくれたら、私も考えてみます」

 エスパーか!
 わかるか。何を言ってるのかわかるわけがないだろうが!
 わからなかったので、葉蔵は画家になると言ってヒラメの家を出奔。
 このときのことを本気でうらみがましく「あのときストレートに言ってくれたら、学校に入ったのに」とぼやいている。
 まったくその通りだ。率直に言えば済む話を率直に言わないから、話がややこしくなる。
 そして率直に言わないヤツほど、話がややこしくなるのを嫌うんである。
 日本語でしゃべれとしか言いようが――。
 ある! 太宰マジックだ!
 このヒラメ氏、子どもを抱えた自営業(自宅が店舗を兼ねる)で、起訴猶予中の居候を抱えているんである。
 自分があくせく働いているのに、2階にいるヤツは寝ているだけで実家から金が送られてくるのだ。
 いかがだろうか。
 ぶんなぐってやりたいだろう。
 それを今度は「親の金で学校行かせてもらえるので、もっと金がもらえまーす」である。
 ヒラメ氏、日本語で話せなくなっても仕方ない。
 さらに別の可能性もある。
 ヒラメ氏のおっしゃったことは、学校云々にかすりもしていない。
 つまり、学校に入れというのは葉蔵の都合のいい想像で。
 実際には「はたらけ」の4文字のみの話だったのではないか。
 これなら、ヒラメ氏が日本語でおk状態になっても無理からざるところだ。言いづれえだろ、そりゃ。
 この「人間失格」は万事こうだ。
 葉蔵の迷惑人生。
 すべて自業自得である。
 この、すべて自業自得の物語。小説では意外と少ないんである。
 転落系の主人公でも、意外とどこかで本人より運や時代や関わった人間が原因の不幸に見舞われているのだ。
 葉蔵にはそれがない。
 すべて本人の努力と根性で、克服できたり避けられたりする転落だ。
 三十路になって「これは私のことを書いている!」ではヤバいのである。早急に生活を改めないとホントにヤバい。
  ここに気づいいて生活改善を始めるのが、大人の階段2段目である。
 ドトール等未来の夢を得る方向でなく。
 見えている破滅を回避する。
 エヴァに乗るよりヤンマーに乗るカンジで! コツコツ地道に努力する!

 とか言ったところで私事である。
 実は、病床のママンにうっかりこの最終回のことを話したところ……。
「読みたい」と言われてしまった。
 口が軽いわたくしがすべて悪い。自業自得を描いた小説で、自身の自業自得に苦しむとは思わなかった。
 なんとかよさげな終わり方をせねば、碇親子より冷え込んだ親子関係(ユイなし)となってしまう。
 そういうわけで、かなり無理矢理な結び方をお許し願いたい。ハリボテ感は自覚済みだ。

 この連載を愛する母に捧げます。浮草堂美奈。
 よおっし! どうにか体裁は取り繕ったはずだ!
 今後も、書きたくなったら書くかもしれない。
 けれども連載は終了だ。
 約1年半ありがとう。
 そしていつもの。
「人間失格」いかが?


評価、拍手、ブクマ、ふぁぼ等ありがとうございました!

 投げ銭幸いとOFUSEマイページ https://ofuse.me/ofuse/ukikusado

 Kindleにて著書販売中! https://amzn.to/2UKJR4O

 お仕事募集中です。こちらまで youkai@m3.kcn.ne.jp

 
スポンサーサイト



読書はたのし「明智光秀」(高柳光寿)

 十兵衛様が泣くとテンションが上がる。
 お察しの通り、麒麟が来るの話である。
 何? 察せられるわけねえと申すか。
 そうかぁ……。できぬと申すかぁ……(圧迫)
 まぁ……いい……。
 2020年の大河は「麒麟が来る」で。
 主人公は長谷川博巳演じる明智十兵衛光秀。
 大河史上初の群像劇。
 放送前にメインキャストが逮捕され、代役で撮り直しをしている最中に疫病騒動、放送休止を挟みながらも1月に感涙の最終回を迎えた傑作大河である(早口)
 長谷川博巳がNHKで主役を張ると、魅力を語れば語るほどに「この男だけはやめておけ」という男になのだが。やめておかねばならない男だからこそ沼い男で。特に作中で不惑を超えたであろうあたりからいじめたい男感満載となり。最終回付近では完全にメンタルをやられていたので、ほぼ毎週泣いていた。よってわたくしのテンションは毎週爆上げであった(ド早口)
 なぜだ。息継ぎなしで説明したのに。原稿用紙1枚使っている。
 まあよい。伝えるべきは伝わったであろう。
 今回は明智光秀の伝記。タイトルそのまま「明智光秀」(高柳光寿)である。
 

 かなり古い本なので、現在では否定されている説も多かろうと思う。
 ことにわたくしの手元にあるのは旧版なので、新版では改訂されている部分もあるやもしれない。
 だが! わたくしの目的は十兵衛様(長谷川博巳版)の泣き顔を妄想する燃料探しである! 真偽は現在問題ではない! よく燃えるのならそれでいい! 探せガソリン!

 博学振りをやって尻尾を出したというところである。

 そんなわけでこの記事は全くでたらめというべきである。
 
 この説を取っているが、勿論採るに足りない。
 
 ごめんなさい……。

 著者高柳先生のブチギレっぷりに、思わず謝ってしまった。
 もちろんわたくしにブチギレておられるのではない。
 俗説の元となった悪書に、ブチギレでおられるのである。
 だが、冒頭からここまでブチギレておられると……。
 十兵衛様の泣き顔が妄想したいだけです! とか……。
 スタンスを謝ってしまうではないか。
 と、いうか、いきなりのブチギレに遭遇して、とっさに謝らない度胸の持ち主。
 この世に何人いるだろう。
 織田信長くらいではなかろうか。
 麒麟が来るでも、十兵衛様がクレイジー・サイコ・ノッブに謝っている場面は多かった。
 ああっ燃料の予感がする!
「明智光秀」を開く!
 さっき謝っていたはず?
 いきなりのブチギレに対する謝罪など、強盗にぶつけるカラーボールと同じだ!
 危険回避の反射行動でしかない!
 そーれぺらぺらーと。
 ……。
 ……。
 ……ごめんなさい。
 いやその……。
 ブチギレる信長に対してより……。
 あっちこっちの仲を取り持つために、営業的な謝罪をしている方が多そうだった……。
 やらしい目で見てごめんな……。史実十兵衛……。

 純粋に伝記として読むと。
 そもそも明智光秀という人物、生まれ育ちがはっきりしないのである。
 永禄11年。先代将軍足利義輝が殺され、弟義昭が岐阜の信長を頼った際。
 たぶん……その場にいたっぽい……。
 が、歴史の初登場なのだ。
 このたぶん、というのは光秀に関する記載が「細川家記」にしかなく。
 しかも何をしたのかは書かれていない故の「たぶん」だ。
 義昭を守ろうとする細川藤孝(幽斎)と、織田信長の仲介役を務めたとあるが……。
 そのわりに、何年も前に藤孝と信長は対面している。
 仲介……いる?
 仲介したとしても、仲介のさらに仲介であるし……。
 その場にいたっぽいとしか言い様がない。
 が、仲介していると書くからには、光秀は成人して長いだろう。
 初登場でおっさんである。
 ……。
 イイ!(燃料がぶち込まれた瞳)
 登場時から十兵衛様ではないか。いや、確かにあの若造時代あってこその十兵衛様。しかしわたくし凡庸人類。フルコースもいきなりステーキもラブ&イート。
 いきなり泣き出してくれても全然かまわない。そんなときもある。今がそのとき爆上げフィーバー!

(すっ……と正座)
 純粋に伝記として読むと(強調)。
「籾井家日記」という本には、天正三年ごろ信長が明智十兵衛という族姓も知らぬものをとりたてたとある。
 この「籾井家日記」も良質とは言いがたいがと前置きした上で、光秀の出自はこんなもんであろうとおっしゃる高柳先生。
 まあ……、結構なお身分低め……。
 オイオイオイ! 盛り上がってきたじゃねえの!
 褒められるようなことをめったにしないわたくし。
 されど「薄幸なメンズを書かせたら浮草堂さんはスゴい」とは褒められる。
 うれしすぎて褒めてもらったツイートをスクショしている嘘ではない。
 スゴい理由はツボいしかない。
 薄幸なメンズ、大変ツボい。
 ツボる対象は2.5次元まで。
 不幸を生まないための性癖のさだめ。
 史実の十兵衛様が薄幸なメンズであったなら、1人敦盛2020!
 探すぜ薄幸エピソード!
 バラバラバラバラ(ページをめくる勢いが増している)
 ……うむ。
 明知光秀に関する書って、別に光秀本人が書いたわけではなかったので……。
 本人の心境は想像する他なく……。
「めちゃめちゃ出世してんなこいつ!」が先にきて後(薄幸)にいかない!
 まあ、心労は多そうというか、板挟みは多そうというか。
 悪くもないのに頭を下げたことが多かったんだろうな、と想像できる。
 生まれ育ちがはっきりしないだけでなく、いつから信長に仕えたのかはっきりしないのだ。
 足利義明と織田信長、二人の主を持っていた時期が長かったっぽいのである。
 もうちょっと時代をさかのぼると珍しくないことだが、この時代では珍しい。
 その珍しい2人の主が殴りあっている。
 詳細はこの本をポチった後、麒麟が来るを観ていただきたい。
 麒麟が来るを観ていただきたい。
 2回も言ったぞ。……わかるなぁ?(クレイジー・サイコ・ノッブ圧)
 とかく、2人の上司が殴りあっているのだ。
 ……クッ。
 麒麟が来るだとあんなにテンションが上がったのに!
 リアル休職しませんか案件を抱えたおっさんの姿を想像すると!
 普通にかわいそうなだけだ!
 燃料どころかわたくしが泣きそう!
 しかも出張多すぎ! おっさん体力もたんやろ!

 そんなあなたに本能寺。
 この「明智光秀」も本能寺に多くのページが割かれている。
 と、いうか、光秀に関する資料。
 マジ本能寺関連以外残ってねえ。
 麒麟が来るでは決定的な何かがあったというより、じわじわメンタルを削られていって本能寺っていたが。
 実際のところの原因は何か。
 なにゆえ! バーニング!?
「明智光秀」には様々な書からの説が紹介されている。

全く事実を無視した作り話ということができる

本当にあったこととは考えられない。

これらの話は要するに俗書の作り話で勿論取るに足らないものである。

 作者が! バーニング!
 しかし高柳先生の俗書悪書に対するスタンスとしては、まだ火力弱めな方だ。
 マジで全編通してブチギレておられるのだから。
 光秀がブチギレている章なので、先生ご自身は控えられたのかもしれない。
 では、弱火となられた高柳先生の説をご紹介しよう。

 元々天下がほしくて、タイミングもよかった。

 身も蓋もねえ!
 要約してしまったせいとおっしゃるかもしれないが、要約しなかった部分はどんな風にタイミングがよかったかの説明だ!
 さっくりした自説が最大火力! さすが高柳先生! そこにしびれる憧れるゥ!
 
 燃料にはならなかった。
 むしろ長谷川博已は普通に現代人だと気づかされた。
 史実光秀は、泣いてもウキウキしないと思い知らされた。
 しかし! この伝記はおもしろかった!

 純粋に伝記として(強調)おもしろい「明智光秀」いかが?


次回最終回! 4月23日(金)更新! 「人間失格」(太宰治)で〆ます!

評価、拍手、ブクマ、ふぁぼ等ありがとうございました!

 投げ銭幸いとOFUSEマイページ https://ofuse.me/ofuse/ukikusado

 Kindleにて著書販売中! https://amzn.to/2UKJR4O

 お仕事募集中です。こちらまで youkai@m3.kcn.ne.jp


読書はたのし「ランボー怒りの改新」(前野ひろみち)

 Come Back 税収。
 失礼。Go to 読書だ。
 開口一番本音を言ってしまった。
 お許しを。哀れな観光地の民草にございます。
 読書で心を旅させていただき……。
「俺、この騒動が収まったら奈良に行くんだ……」とか夢見ていただき、安寧が訪れれば旅行に来ていただき、ドバドバお金を落としていただきたい、その思いが強すぎてつい……。
(間)
 言い訳するほど墓穴を掘る。あらすじに入ろう。
 
「ランボー怒りの改新」(前野ひろみち)

 

改題文庫Kindle版


 お待ちくだされ! ちゃんとと奈良県ご当地本にございます! Kindleの方の改題版に鹿がほら! どうかお待ちを! 表題作本文冒頭を引用いたします、どうかお待ちを!
 
 ある夏、ひとりの青年が斑鳩の里にフラリと現れた。
 たくましい身体と日焼けした肌、髪は長く伸ばしている。彼の名はランボー。遠い異国ベトナムの奥地からやっとの思いで故国の島国へ帰りつき、難波津から飛鳥を目指して歩いてきたのだ。
 ランボーは今、一つの焼け跡を前にして呆然と立ちつくしていた。そこにはかつて山背大兄王らの住む斑鳩宮が建っていたはずだが今は見る影もなく、焦げた材木が夏草に埋もれているばかりである。
 
 しまった。引用部分であらすじがいらなくなる本だった。
 しかもお金をドバドバ落としてほしい場所で、ランボーが銃撃戦をしている。
 ふりがなが無いと、奈良時代の地名人名はキツい問題も出現した。
 ピンチ。
 と、思われたご様子。
 ノープロブレム。
 この本は短編集だ。
 他の収録作品を紹介すればよい。
 他の収録作品から「うッ……、奈良に行きたい……。やたらと広い公園みたいな遺跡で、ただただぼーっと歩きたい。腹が減ったら奥に長細い増えたカフェに入り。BGMに鐘の音を聞き。四季と歴史のみを感じる時間を送りたい……」とか思っていただければ――。
 
 読む前から思ってらっしゃるようだな。
 されどCome Back 税収。あらすじのターンをやり直させてもらおう。
 収録作。
「佐伯さんと男子たち1993」
 中3男子たちがクラスの美少女に恋する物語だ。
 東向き商店街のマクドナルド2階で、アホ男子3人組が、好きな女の子に告白宣言をするところで始まる。
 え、東向き商店街?
 あそこか。
  あのグランドピアノ置いてあるマクドか。
 あこええよな。向かいが重要文化財やし。
 っていうか、この間モバイルオーダーの操作間違ってしもたんやけど、その対応がマジ神対応やってん。
 ほんまあこええわ――。
 って身バレェ!

 俺の庭すぎて危ういところまで申し上げてしまった。
 お忘れを。
 すっぴんでこのような散文を書き散らかしたりしている事情がある。切にお忘れを。
 閑話休題。
 中学3年といえば、受験やら就職やらに忙しい方が多数派であろう。
 されど、この3アホは違う。
 なぜならこの3アホが通うのは中高一括高だからだ。
 
 中学三年から高校一年のあたりというのは、受験もないし、何もキビシイ試練というものがなく、とかく僕らは奈良公園とかをぶらぶらしがちであり、そうするとてきめんに鹿のアホがうつるからである。
 
 そうか、わたくしのアホの原因は、いい年をして頻繁に奈良公園をぶらぶらしているからであったか。
 納得しかけたが叙述トリック。
 読み進めていくとこの主人公、近鉄奈良駅から学校まで歩く途中に奈良公園がある。
 
 朝の浮見堂のあたりなんかはいい感じだ。木漏れ日の中を、立派な角を生やした牡鹿がスッと横切ったりするときは、ちょっと神々しさがあったりする。
 
 うむうむ。奈良は朝がよいのだ。
 特にこの浮見堂の周辺は春日山原生林も近く、春日大社も東大寺も近いものだから神域の趣がある。
 朝露踏み分け鹿が来たるのだ。
 時折、自分がいる時代がわからなくなってしまう。
 風に長き時がしみこんでいる。
 奈良にいると日々こういった小さな疑似タイムスリップ――って違う!
 この3アホ、奈良女子大学附属中学の生徒やないか!
 何がアホなものか。国立中学である。県内で最も受験がキビシイ中学の1つだ。
 やっていることがいかにアホでも、真のアホが通う○○中学と間違うなかれ。
 思いっきりフルネームを書いてしまった。わたくしの出身中学に偽装した野犬収容所である。
 伏せ字にせねばならないものを書いてしまうあたり、わたくしのアホと奈良公園は関係ないようだ。
 
  再度閑話休題。
 この3アホ、クラスの美少女佐伯さんに惚れ、アタックしてはブロックされて散るのである。
 このブロックされるまでがおもしろい。
 特に何事も起きていない。
 なのに、重大事件やなガハハと笑う。
 どんな具合にブロックされていくかというと……。
 先ほど何の説明もなく鹿を出したことを思い出されたし。
 うん。わざわざ説明いらんと思て。
 あえて説明するなら、どこにでもいるわけではない。わりと狭いエリアにいる。
 奈良女子大学附属中学(推定)はエリア内だ。
 そして佐伯さんは、常に鹿せんべいを持ち歩く奇っ怪な美少女である。
 鹿サーの姫だ。
 佐伯さんにラブレターを渡そうと思ったら、鹿の群れの中で渡さねばならない。
 鹿は紙が好物である。
 当然ながら襲われる。ラブレターを食われる。
 こやつめ、俺の恋文を返せ。
 もぎ取り自身の天然パーマに隠す男子。
 お、髪の毛の中にうまいモン入れよったな。
 髪ごと喰らう鹿。
 おいこら食うな食うな。
 邪魔すな食うわ食うわ。
 とっくみあいのつかみ合い。
 アホ2人も読者も大爆笑である。
 薄情と考えるは早計。
 奈良では鹿に紙類を見せることは、コブラに訳ありの美女を見せるに等しい。
 見せるヤツが愚かなのだ。
 さらに言うなれば、母鹿の前でバンビちゃん(県民は子鹿をこう呼ぶ)に触るなど、コブラの前で美女を殴るに等しく。
 ましてや鹿せんべいを鼻面にぶら下げて写真を撮ろうとするなど、サイコガンの前で「さすがのコブラもここでおしまいだぜ!」とイキるに等しい。
 うむ。この3アホ、勉強できるだけでアホである。
 奈良に住んでいて鹿の扱いを心得ぬとは、なんたるアホ。
 
 斯様にアホな話の短編集。
 幻想と現実をアホに行き来する物語たち。
 はたしてこの前野先生とはいかなるお方か。
 森見登美彦先生の変名とかではあるまいか。
 森見先生の出身も奈良女子大学附属である。
 あやしい。
 と、あとがきを見ると「畳屋の跡取り」とある。
 ……うむ。畳屋。
 鵜呑みにしてはならない。
「小説家の自己紹介ほどあてにならないものはない」とすぐ下に書いてあるのだから。
 でもなあ……。
 もし、この畳屋の跡取りが本当であったら。
 心当たりがあるというか……。
 うちの畳……前野先生のお宅製ではあるまいか?

 奈良でドバドバお金を落としたくなる「ランボー怒りの改新」いかが?


評価、拍手、ブクマ、ふぁぼ等ありがとうございました!

 投げ銭幸いとOFUSEマイページ https://ofuse.me/ofuse/ukikusado

 Kindleにて著書販売中! https://amzn.to/2UKJR4O

 お仕事募集中です。こちらまで youkai@m3.kcn.ne.jp


 

読書はたのし「白痴」(ドストエフスキー 木村浩訳)

 春夏秋冬些事である。熱帯雨林でもドストエフスキーだ。
 オラつきウータンで登場した。
 当然である。来たのだ。
 わたくしの元に。
 ドストエフスキーが!
 正確には、文豪とアルケミストというゲームキャラのドストエフスキーが来た。
 誰だ「それは来てねえ。液晶挟んでる」とか言うヤツは(枝を揺さぶる威嚇行為)。
 わたくしがこのドストエフスキーをゲットするために書いた記事を見ろ。
 ほら、無関係に通帳が紛失されているだろうが!

 これはもう、キャラのモデルたるドストエフスキー先生の著書を紹介する他あるまい。
 それもマイベストドストエフスキーだ。
 ドストエフスキーが乱立して訳がわからんだと!? 文アルをやれ! わかる!(木の枝を揺さぶる)

「白痴」(ドストエフスキー 木村浩訳)

通常書籍
 

Kindle


 例によって多様な訳が出ているドストエフスキー先生。
 各々お好きな訳でご覧あれかし。わたくしは木村先生訳で読んだ。
 あらすじ。
 無垢な美青年ムイシュキン公爵。
 その無垢を知力の劣等と見なされ、精神療養所に入っていた彼が、ロシアに帰国したところから物語は始まる。
 冒頭の列車で、悪性の象徴的俺様系美青年ロゴージンに「おれはあんたにほれちまったよ」と初対面で告られるのを発端に。
 無一文の身を老将軍に預かられたり。
 小心者かつ嫉妬深い男の憎しみが愛に変わったり。
 相続問題でもめた美少年を素で籠絡したりする。
 純真天使系美青年総受BLである。

 ん? なぜ嘘つきやがってなどとおっしゃるのか。
 もしや、網膜に深淵を貼り付けておられぬのか。
 お気の毒に……。
 気の毒すぎるので、「ゴールド・フィンチ」(ドナ・タート 岡真知子訳)より表現を借りる。
 「この主人公はいつもいいことをしているのに、そのせいでいつも悪いことを引き起こすんだ」である。
 記憶に頼っている故、少々文章が違うやもしれぬ。ご容赦。
 

 さて、重要な話をしよう。
 BLに女が入っていいか問題だ。
 この問題はあまたの学級会を引き起こし、注意書きに「モブ女が迫るシーンがあります」とPixivキャプションに付けさせ、あげく公式ヒロイン登場が地雷という猛者まで登場する重要度である。
 わたくしの好みを言えば、受には女にモテてほしいし。むしろ毎週違う女と寝ていた過去がある受が大好物なのだが……。
 この問題は「俺の好みだから言わねえ」で済まされぬだろう。
 わたくしも「Sな男の娘責めと見せかけてMでおぼこい女が受でした」という展開なら、先に言ってほしいのが本音である。
 何の話かわからない? わからないままの方がよい。
 要約。
 ムイシュキン公爵もロゴージンも、ナスターシャという女に惚れるのだ。
 ムイシュキン公爵は毎週違う女と寝ていない。
 が、ナスターシャは毎週違う男と寝てそうである。
 ナスターシャを奪い合うムイシュキン公爵とロゴージンの愛憎が、この小説の骨子である。
 
 ここで重要なのは、愛憎しているのはロゴージンからナスターシャへの感情であることだ。
 ロゴージンからムイシュキン公爵へはひたすら愛である。
 恋敵なのにどうなん? と思う。
 いや、一応ちゃんと恋敵っぽい嫉妬はする。
 する。するのだが。
 私と結婚したかったら10万リーブル持っておいで!とロゴージンに告げ。
 ロゴージンが必死にかき集めた10万リーブルを、火の中に投げ込んだナスターシャの強烈さ。
 比べると……。
 その……。
 ……ムイシュキン公爵への嫉妬……かすむ……。
 むしろナスターシャへの「愛する者よ死に候へ」的感情にやつれたロゴージンの。
 救済者がムイシュキン公爵だと思う!!
 BLだと思う!!!

 ムイシュキン公爵もムイシュキン公爵で、破滅するために生きているようなナスターシャを救いたいという気持ちが、恋愛感情の元であり。
 共に破滅へと転がり落ちていくロゴージンも、もちろん救いたい対象だ。
 なので、愛憎渦中の恋敵同士でありながら、十字架を交換したりするのである!
 マリみてじゃねえか!
 このシーンがしこたま燃える。
 詳しくかつネタバレを防ぎつつご紹介申し上げる。
 ナスターシャへの愛憎にやつれたロゴージン。
 心配して家を訪れたムイシュキン公爵に告げる。
 ナスターシャが愛しているのはお前だと。
 二度もナイフに目を向けるロゴージン。
 怯えながらも、ナスターシャとロゴージンの結婚生活が幸福であるようにと、祈りを捧げるムイシュキン公爵。

「きみの恋は憎しみと少しも区別がつかないものなんだね」

 ムイシュキン公爵は去ろうとする。
 ロゴージンは引き留める。
 ムイシュキン公爵は、落ちぶれた元兵隊がだまそうとして売りつけてきた、すずの十字架の話をする。
 ロゴージンはその十字架と自分の黄金の十字架を取り替えてくれと頼む。
 2人は十字架を取り替える。

「これで兄弟の契りができたじゃないか!」


 ばっさばっさばっさ。
 失礼。何度読み返してもツボすぎて、枝を揺さぶってしまった。情緒不安定だが威嚇ではない。
 都合よくBLに編集もしていない。
 BLに見えた、おかしい、けしからんと思われたのなら、あなたの網膜の問題だ。
 深淵の芽吹きである。
 されど省略はしてある。
 なぜなら、ドストエフスキー先生は丁寧に丁寧にこのド耽美シーンを描かれている。
 具体的には、46ページにわたって描かれている。
 46ページの耽美だ! 味わえ!(激しく枝を揺さぶる)

 このように最高のBLである。
 シベリアに流刑されていくロゴーゾンの胸にあった、スイスの療養所で微笑む白痴。
 救済者ムイシュキン公爵。
 やつれた2人の再会が、わたくしの網膜にはっきり映る。
 はっきり映る。ただしこの3行はわたくしの妄想である

 とかくこれだけは伝えねばなるまい。
 妄想を超えて、文アルのドストエフスキーは素行が悪かった。
 CV.森久保祥太郎(オーフェンの声の人)だった。
 この粗暴な博打狂、美青年大好きなんだよな。
 と、妄想(公式でない)してニヤニヤするためにこの「白痴」、いかが?

 

評価、拍手、ブクマ、ふぁぼ等ありがとうございました!

 投げ銭幸いとOFUSEマイページ https://ofuse.me/ofuse/ukikusado

 Kindleにて著書販売中! https://amzn.to/2UKJR4O

 お仕事募集中です。こちらまで youkai@m3.kcn.ne.jp


読書はたのし「春琴抄」(谷崎潤一郎)

 偶然にも日本セックスデーが更新日となった。
 よい機会だ。SM小説をご紹介する。
 このようなことを申すと、「クリスマスは本来家族でキリスト教(以下略)」と解説する方が現れるが――。
 こんな寒くてすぐに日が暮れる季節に、なんで苦行をせねばならんのだ。
 1週間後には「帰省」という強化苦行が待ち受けているのである。
 仏陀だって乳粥を貪ったのだ。俗人が快楽を貪って何が悪い。
 と、いうわけでSM小説だ。
 リアルセックスしか燃えない特殊性癖の方は、申し訳ないがお引き取り願おう。
「春琴抄」(谷崎潤一郎)である。

通常書籍

Kindle

 SMバーの女王様が「この道に入ったきっかけ」と推してらした1冊。
 1度きりとなってしまったが、常々あの女王様と再会したいと思っている。
 
 あらすじ。
 盲目の美少女をお師匠様と仰ぎ、三味線の弟子として奴隷となった男の幸福を描く――マイフェアレディ大谷崎バージョンである。
 む? お前、いくらなんでもエロ方面を誇大化してるだろとおっしゃるか。
 では引用しよう。

 撥が飛び、叱声が響く――。
 女師匠による人格否定の三味線レッスンが 今日も「待ち遠しい」!!

 フランス書院ではない。新潮文庫だ。
 読書はたのし「春琴抄」(谷崎潤一郎)

 ほら、証拠写真がある。しかも「谷崎最初の一冊なら」と、英才教育宣言がデカい文字である。
 わたくしのあらすじなどマイルドだ。
 ……うむ。
 マイルドすぎる!
 あなたのまたぐらに無礼であった。心よりお詫び申し上げる。
 心を改め、無人在来線爆弾をぶち込んで参る。
 最終的に三菱地所アタックまでいく。
 ご準備はよろしいか。
 
 
 さて、知らない方は知らない話をしよう。
 マゾにも燃えるプレイと燃えないプレイがある。
 燃えないプレイに対しては、インフルエンザで倒れた日に「一緒にお注射で汗かいて治そうぜ!」と言われたレベルに不快になる。
 燃える燃えないの判断基準はマゾの気分と好み次第であり、まあつまり。
 わがままなヤツほどマゾなのだ。
 これは他作品で妄想する際に便利なので、手のひらにメモっていただきたい。
 そして春琴抄のマゾ男佐助の燃えるプレイは――。
 トイレの後で手を洗うことすら、自分が世話をしないとできない生活を生涯送らせた上で。
「お願い」ではなく「命令」でお世話したい!
 逆に燃えないのは、自分が「お師匠様」と対等や目上として扱われることである。
 この2人はどちらも三味線の師匠が職業なのだが……。
「お師匠様」と仰がれている女主人春琴よりも、佐助の方が上手そうなんである。
 春琴は三味線より実家の仕送りが収入源だったのに対し、佐助は三味線で食っていけているのだ。
 三味線そのものの技術は不明だが、指導者として佐助の方が優れている。
 が! 門弟が佐助を「お師匠様」と呼ぶことを許さず、春琴を「お師匠様」と呼べ、俺なんか「佐助どん」くらいじゃないとダメだと命じる!
 門弟にしてみれば2人だけでやってくんねえかな、でしかない。プレイ内容なぞオープンにされても困る。
 これだからマゾは……である。
 そんなわがままマゾに応えてくれるサドが春琴。

  まずは贅沢三昧。
 彼女は盲目なのだが、自分の容姿には自信がある。ので、装飾品やら美肌ケア用品を買いまくる。
 また盲目なので味覚が敏感らしく、ごちそうを量少なく品数多く食べ、その箸を使う世話は佐助がする。
 極めつけは小鳥である。
 高級な鶯や雲雀を、黒檀や螺鈿の箱で飼う。
 ここまで贅沢をすると、さすがに実家の仕送りでは足りないので、使用人の生活を苦しくしてなんとかする。
 この金が足りなくなるほど贅沢三昧をする女とその費用に苦しむM男は痴人の愛にも登場する。よっぽど大谷崎の好きシチュなのだろう。
 

 次に苛烈な三味線指導である。
 初期、「学校ごっこ」程度だったはずの指導で、15歳の佐助がしくしく泣く声が聞こえるのだから相当だろう。
 15歳男子は思春期的なアレのため、よっぽどのことでなくば泣けないのである。
 できるまで寝かせない、失敗すれば罵倒、ときには撥で殴られる。
 よっぽどのことだ。泣く。
 この時春琴は11歳。栴檀は双葉より芳し。
 11歳の少女が15歳の男子を泣かせているのだ。
 SM関係でないと不自然である。実際に実家の人々はドン引きだ。
 このままずっと主従関係を強化していくのだから、どちらも天与の才があったのだろう。

 三つ目こそ極み。というか先ほどかちらちら述べているのだが。
 日常生活すべてを佐助に世話させるのだ。
 食事、入浴、トイレ、はては「暑い」と言ったらそれだけで団扇であおげだと察せ。である。
 ちなみにこのお風呂の世話も痴人の愛に出てくる。よっぽど燃えシチュなのだろう。
 ……ひょっとしてSMって変態なのかな。

(気を取り直して)
 一見、春琴の方が楽でわがまま放題のようなのだが――。
 繰り返し失礼。実際にわがままなのは佐助の方である。
 と、いうのも、春琴はそこまでしてもらう生活しかできなくなっているのだから、佐助がいなくなれば生きていけないのだ。
 とんでもないハイリスクと言える。
 現代でも健常者は障がい者に「皆様のおかげで、今日も明るくがんばっていられます(笑顔)」みたいな態度を求めるのである。
 わがままで意地悪なイメージは、障がい者にとって青酸カリだ。
 佐助は佐助で佐一ではない。不死身の杉本ではまったくない。
 佐助が心変わりをしなくても、ただの自然死を遂げるだけで春琴の人生は詰んでしまうのである。

 ああ……しかし、SはサービスのS。
 佐助の願うまま、春琴はわがままに振る舞う。
 そして起こる事件。
 思いっきりネタバレなのでここは秘しておくが、老いてからの佐助はこう語っている。

 此の世が極楽浄土にでもなったように思われお師匠様と唯二人生きながら蓮の台の上に住んでいるような心地がした

 蓮の台! はすのうてな!!!
 流石すぎるぜ大谷崎! 天下の変態大谷崎!
 なんという美文でSMを繰り広げてくれるんだ。声に出して読みたい淫語じゃないか。日本セックスデーにふさわしすぎる。お前がトナカイになるんだよッ!
 と、いうわけで日本セックスデーに最適の1冊、「春琴抄」いかが?


評価、拍手、ブクマ、ふぁぼ等ありがとうございました!

 投げ銭幸いとOFUSEマイページ https://ofuse.me/ofuse/ukikusado

 Kindleにて著書販売中! https://amzn.to/2UKJR4O

 お仕事募集中です。こちらまで youkai@m3.kcn.ne.jp


 
プロフィール

浮草堂美奈

Author:浮草堂美奈
小説書き。
オンライン掲載の更新情報、オフラインの出没販売情報、まほろばな日々等を掲載しております。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード